
誕生日をまとめてやるなんてしません。
誕生日は
その人だけが主役です。お祝いの全てを
独り占めです。なので毎週誕生日会なんてこともあるのですが…
今日この日誕生日を迎えた男性利用者のMさん。今年1月より利用を始めた方です。
誕生日会の開会を告げて、今日はMさんへの
インタビューから初めました。他の利用者さんにもMさんがどんな方かを知ってもらうためです。
生まれは?
何人兄弟の何番目?
お父さん、お母さんはどんな人?
若い頃の仕事は?
学生時代にしていたことは?
結婚はいつ?
子どもは何名?
一番苦しかったことは?
一番うれしかったことは?
Mさんは貧しい家の長男、5人兄弟でした、妹さんはアメリカに嫁ぎ先日30年ぶりの再会をはたしました。高校までは距離があり自転車で通学していました。野球部のキャプテン、ピッチャーやキャッチャーをしていました。いつも勝てない部活で校長先生から廃部を命じられたその年、みごと島の大会で優勝したそうです。校長先生が土下座したよ、優勝パレードもしたよと語るMさん。
製糖工場を15年つとめた後、繁華街でお店を出します、通り会の会長や、郷友会の会長もつとめたそうです。結婚したのは23歳のとき。残念なことに50歳でこの世を去っています。
ちょっとだけMさんが身近に感じました。
「山あり谷ありの人生を過ごされたMさんが、
76年たった今ここで私たちと出逢ったんですね。」とインタビューを結びました。
ハッピバースデーを合唱したあとは利用者さん全員でクラッカーを鳴らします。みなさんもう手慣れたものですが、最初はこんなもの初めて触るよと不安気だったことを思い出します。
つづいてくす玉。他の利用者さんや職員からお祝いのことばを一人一人のべました。そして先日退職した職員からの手紙を読み上げたとき、
Mさんの目にはうっすらと涙がみえました。
更に職員手作りのお菓子にローソクをたてて再びハッピバースデーを歌うとローソクの火を吹き消してもらいます。
急いでこの日撮影した写真をプリントアウトすると色紙を作って記念品として贈呈し、この日の誕生日会は終わりました。
「ありがとう、このデイサービスにきて良かった」大きな声で話すMさんの声は震えていました。