9月18日は「しまくとぅば(島言葉)の日」方言札を知っていましか?
方言札というものをご存知ですか?
コトバンクには次のように説明されています。
ほうげん‐ふだ〔ハウゲン‐〕【方言札】
標準語教育推進のため、小中学校で方言を話した生徒に罰として首から下げさせた木札。かまぼこ板くらいで「方言札」と墨書した板を、方言を話した他の生徒が見つかるまで下げさせるなどした。各地にあるが、特に標準語教育が厳しかった沖縄では、明治40年(1907)ころから昭和35年(1950)ころまで用いられた。
自分は宮古島市の博物館で現物を見たことがあります。
自分の勤めるデイサービスには実際に、この方言札を首から下げた経験のある方がくさたんいます。
方言札を下げることは恥ずかしかったという方もいれば、なんとも思わなかったという方もいて、半ば遊びのように方言(ミャークフツ)を話す友達を見つけて「うり!」と言って手渡すと、「うり!」という言葉は方言だ!といって札を返された。とか、札をポケットに隠しておいて、友達の背中を叩くと「あがっ!」と言わせて、札を渡したなんて話も出てきました。
更には職員から、なんと昭和50年代に入ってからも方言太郎、方言花子といった札をかけられたとの経験談もありました。これには驚きです。
ちなみに方言札は学校内限定で、下校前最後に札を持ったこどもは、いったん札を先生にあずけ、翌朝からまた札を持つという感じだったのだそうです。
ところで、ミャークフツは方言なのでしょうか?
ユネスコでは一つの言語と取り扱われています。そもそも方言と言語の違いには明確な定めはないようで、他の地域で通じなければ方言ではなく、言語であるという扱いになるのだそうです。
そう考えると、標準語圏はもちろん、近くの八重山や、沖縄本島でも通じないミャークフツは、やはり方言ではなく、ひとつの言語、言葉なのでしょう。
さて、しまくとぅば(島言葉)の日とは、9月18日。沖縄県が2006年、沖縄方言への県民の関心を高め、若い世代へ継承することを目的に条例で定めた。く(9)とぅ(10)ば(8)の語呂合わせ。と、これまたコトバンクでは説明されています。
宮古では、しまくとぅば=スマフツ/ミャークフツとなります。
方言=ミャークフツを話すな!という時代があり、いまは島の言葉を大切にしなさいという時代になっている。不思議なものですよね。
でも言葉=文化だと思っているので、これは良い事だと思っています。
本当にこのままではミャークフツは無くなってしまうでしょうし…失ったものを取り戻すことは、容易いことではありません。
もちろん島のお年寄りたちが使ってきたような使い方をそのまま残すことは、困難であり、望まれるものとも違うと思うので、どのような形でミャークフツを残していけるのかは、分かりません。
ここからは、写真の標準語札の話です!。
「今日はミャークフツを大切にする日なので、お昼まで標準語を話してはいけません!、標準語を話した人には標準語札を首から下げてもらいます!」と始めてみたものの、この札はほとんど自分の首に下がったままなのでした。
そうです。標準語札をほかの人にもかけてもらおうと、必死に話しかけても、見事にミャークフツで返し続けられたのです。(しかも返事がミャークフツで返ってくると、ありふれた会話の聞き取りくらいしか出来ない自分は再び黙ってしまうという…)
チャンチャン。♪
はい!
んなまから(今から)
ラジオ体操
しーみぃーる(やりましょう)
なんて頑張ってたんですけどねぇ。σ^_^;
今でも高齢者同士での言葉のやり取りは、ミャークフツが基本のようです。家庭内でも同様であるが、孫には標準語、というふうに使い分けをされているのだそうです。
また役場に行った際などでは、家庭内のように若い人には標準語、そうでない?または、ミャークフツが口から出た相手には、ミャークフツを使うなどの対応を取られているとのことでした。
相手に合わせて言葉を使い分ける、まさにバイリンガルです!
言葉一つとっても時代に翻弄され続けてきた皆さんと過ごす時間は、本当に素晴らしいものです。
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